6月20日の祈り――世界中が凪ぎますように『ととのはたけと、うたれちゃったしか』

『ととのはたけと、うたれちゃったしか』(7/16発売/先行発売中)の記事が、読売新聞夕刊(6/18付)と朝刊宮城県版(6/20付)に掲載されました。

東京本社の記者さんが、宮城県舞根を訪ね、絵本の舞台を歩きながら、畠山凪さん(当時小1/現在小2)が絵本のテキストとなった作文を書こうと思った気持ちを、するりと引き出しています。それは、
「シカが寂しそうだったから」――

寂しいという言葉に、この作文の秘密があったのだと、本が出来てしまった今になって、知らされた思いです。

東日本大震災後に生まれて、荒れた海がおさまるようにと付けられた「凪」という名前。
凪は漁民にとって究極の祈りを意味すると、凪さんの祖父の畠山重篤さんが本書に寄せたエッセイに書いています。

今、世界は大時化です。
凪さんの言葉で言えば、それは「寂しい」のではないでしょうか。

さて。
今日6月20日は「世界難民の日」です。
こぶな書店は3年前のこの日、小俣直彦著『アフリカの難民キャンプで暮らす』を刊行し、版元設立日となりました。
いま毎日報道されているウクライナからの避難民、のみならず年々増え続ける難民をつくりだしている原因は、世界の大時化そのものでしょう。
小俣さんの本の出版記念トークイベント(2019年12月)に畠山重篤さんも登壇してくださったのですが、そのときのタイトルで、3年の時間差でうまれた2冊の本をつなぎたいと思います。

「見えない海がみえるように、会えない人を思えるように」

今日の早朝届いた宮城県版Fax