2022年のご挨拶――風はどこから吹いてくる

明けましておめでとうございます。
昨年もお力添えをいただきました皆さま、昨年出会うことのできた皆さま、そしてこれから出会う皆さま、どうぞよい年をお迎えくださいますよう。

昨2021年の新春は、税所篤快さんからの電話で始まりました。
(こぶな書店と税所さんのご縁はこちら
スタジオジブリの月刊誌に連載していたエッセイを1冊にしたいというご相談でした。
まだ31歳の若さながら、既に何冊もの本を大手出版社からも出している税所さん。
なぜに私に? とお聞きしたらとても素敵なお返事がかえってきました。
「風のような出版をしたい」

それってどんなことなのかは、ここではご想像にお任せしますね。
ともあれ、そんなおしゃべりから始まって、昨年10月に刊行させていただいたのが『僕、育休いただきたいっす!』です。

「育休」の本なんて、ご自分には関係ない…と思ったあなた! だいじょうぶ。関係なくありません。
書籍化にあたり書き下ろされた原稿でしたが収録することを割愛した原稿を帯のメッセージにしました。

「この本を読んでくれている、そこの30年後のあなた……そうそう、あなたです。
そこはどんな世界ですか? 地球は無事ですか?
ぼくの子どもたちとその世代はどんな様子ですか 。
僕たちは、いま、いろいろあるけど元気にやっています」

元気にやってます、ってどんなふうに?…というと、
おおわらわの本書の校了中、税所さんから電話が入りました。著者だっておおわらわのはず…
なのに、なんと
「今、諫早の植樹祭にきています。畠山重篤さんに会っていっぱい話をして、すっごい刺激を受けました!!!」
えーーーっ!?  それは素晴らしいけど、著者校どうするの!? でした。(結局、帰途の飛行機の中からのやりとりでセーフ)

畠山重篤さん――昨年のNHK朝の連ドラ「おかえりモネ」で藤竜也演じるおじいゃんのモデルです。https://cocreco.kodansha.co.jp/general/news/bKm5V
吹く風の縁は巡って、こぶな書店の今年の仕事は、その畠山さんにエッセイを寄せていただくヒマッコブックスの絵本で始動です。
『ととのはたけと、うたれちゃったしか』(2022年6月刊行予定)
文:1年1組 はたけやまなぎ
絵:白幡美晴
巻末エッセイ:畠山重篤

未来への風が吹き抜ける絵本をお届けします。

本年もよろしくお願い申しあげます。

2022年元旦 小鮒由起子

疫病退散
(ヒマールの店頭より)

TOKYO FM「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」で『僕、育休いただきたいっす!』の巻末座談会の音源が公開されます

『僕、育休いただきたいっす!』発行日直後の10月24日(日)と31日(日)の2回にわたり、スタジオジブリPD・鈴木敏夫さんが、ご自身のラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」(TOKYO FM /毎週日曜23:00~23:30)で、本書収録の座談会の音源から、その模様を紹介してくださいます。

7月に行われた、著者の税所さん夫妻と鈴木さん、娘さんの鈴木麻実子さん4人での2時間の座談会はおおいに盛り上がりました。当初10ページの予定だった掲載ページは、どの話も割愛することができず倍以上に! そんな中から、どの部分が切り取られて放送されるのか、編集部としてもとても楽しみです。

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11/12発売決定!「転校生の花子さんとヨゲンジュウ」

先日お知らせいたしました、こぶな書店とヒマールの共同出版レーベル「ヒマッコブックス」からの第1弾!出ます!!

ヒマッコブックス1
「転校生の花子さんとヨゲンジュウ」楢喜八

定価1,100円+税
A6横(縦105✕横148mm)中ミシン上製本 24ページ
ISBN 978-4-9912195-1-1 C8793
2021年11月12日刊行

花子さんが、A小学校に転校してきた。
ヨゲンジュウたちを連れて……!

アマビエだけじゃない! ヨゲンジュウ(予言獣)を知っていますか?
『学校の怪談』シリーズで「花子さん」を描き続けてきた楢喜八による、初のミニ絵本。
あの花子さんがヨゲンジュウたちを連れて帰ってきました!

長引くコロナ禍で、たくさんのできないことや、たくさんの決まりごとを受け入れて学校生活を送っている子どもたち。
制限と制約の多い毎日に、せめて、のびのびと空想して少しでもたのしく過ごしてもらえたら……。
そう考えて、楢喜八さんが描く花子さんにお願いして、おなじみアマビエをはじめとするヨゲンジュウたちを学校へ連れて来てもらおう!と思い立ち、お守りになるような絵本をつくりたいと企画しました。

正体不明、でも、なんだかかわいいヨゲンジュウたち。
ちょっと怖くて、どこかユーモラス、隅から隅まで何度も見ずにはいられない、楢喜八ならではの絵の世界が小さな一冊に広がります。

花子さんに初めて出会う子どもたちにも、子ども時代を花子さんと過ごした世代にも、いつもそばに置いて繰り返しおたのしみいただけることを願っています。

絵:楢喜八 1939年樺太に生まれる。金沢美術工芸大学油絵科卒業。1968年ミステリマガジン(早川書房)8月号で挿画デビュー。ミステリー・SF・ユーモア小説を中心に幅広いジャンルで多数の装画・挿画を手がけ、大人から「学校の怪談」シリーズ読者の子どもまでファン層も幅広い。個展などで定期的にオリジナル作品も発表し続けている。1978年講談社出版文化賞(さし絵部門)受賞。2004年田河水泡賞受賞。2018年ヒマールにて「学校の怪談」同窓会展を開催。2020年『誰かが見ているーー楢喜八作品集』(こぶな書店)を刊行。

協力:常光徹(国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授)

ブックデザイン:辻川文俊(ヒマール)
構成・編集:小鮒由起子(こぶな書店)/辻川純子(ヒマール)

手のひらサイズのミニ絵本です。
本日より、ヒマールのオンラインストアにてご予約販売を開始しました(お届けは発売日前後になる予定です)。そちらにサイズ感のイメージ写真をアップしていますのでご覧ください。
また、11月8日(日)より東京・銀座で開催の楢喜八個展での先行販売を予定しています。こちらの詳細は追ってお知らせします!

新レーベル「ヒマッコブックス」

ヒマッコブックスの本のお求めはこちらでどうぞ!
https://himaar.stores.jp/

30年来の友人で、こぶな書店の本の販売を担当、自身でも出版活動をしているヒマールと、「一緒に本をつくろう!」ということになりました。
こぶな書店とヒマールの共同出版レーベル「ヒマッコブックス」、はじめます!

そのきっかけのはじまりはこちらにちらっと書いていますので、ご覧いただけましたら。
まもなく、新レーベル「ヒマッコブックス」からの第1弾、お知らせできると思います!

こぶな書店がこれまでに出した本は、小俣直彦さんの「アフリカの難民キャンプで暮らす」、楢喜八さんの「誰かが見ている」。そして、まもなく出る本が、税所篤快さんの「僕、育休いただきたいっす!」。
ヒマールがこれまでに出した本は、アンディ・アーヴァイン歌詞集「旅に倦むことなし/NEVER TIRE OF THE ROAD」、松井ゆみ子さんの「アイリッシュネスへの扉」。
一見すると、まったく別の方向性のように思われるかもしれませんが、もっと大きなところで、わたしたちの志はずっと同じ方を向いています。
それぞれに出す本と、共同で出す本、よかったら、どうぞこれから追いかけてみてください。

ヒマッコブックスは、ヒマールの「ヒマ」と、こぶな書店の「コブ」をあわせて命名しました。
そして、それと同じ発想で、そのロゴをつくりました!

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シンボルマークは、神話に登場する「ヒッポカンポス」の“ロバ+ふなバージョン”。
そんなこと言われても、わかる人、いませんよね?(笑)

たのしい本をたのしくつくっていますので、たのしみにしていてくださいね!!

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10/23発売! 税所篤快「僕、育休いただきたいっす!」

税所篤快さんがスタジオジブリ機関誌「熱風」2018年9月号~2020年1月号に連載された「僕、育休いただきたいっす!」の書籍化、こぶな書店からの刊行が決定いたしました。

巻末に、スタジオジブリ プロデューサー鈴木敏夫さん・麻実子さん父娘×著者・裕香子夫人の座談会「みんなでやりたい! 楽しい子育てプロデュース」を収録(写真:疋田千里)。そして、評論家・日本近代史家の渡辺京二さんからも寄稿いただいています。表紙はじめ写真は幡野広志さんの撮影です。

発刊は10月17日の予定で(正式発売日が10月23日に決まりました)、まだ少し先になりますが、先駆けて、ヒマールのオンラインストアにてご予約販売を開始しました。

緊急企画決定! 転校生の花子さんと会う

銀座のはずれにこんなところが……? という雰囲気あるギャラリーで、楢喜八作品展は連日ひっそり盛況で幕を閉じました。
その会場で出会ってしまったのです。「転校生の花子さん」に。

花子さんの転校した小学校では深夜、アマビエたち予言獣(ヨゲンジュウ)が子供たちを守る対策会議を開いているということです。

そこで! 花子さんに学校の様子をきいて、それを楢喜八先生に描いてもらい、こぶな書店と販売担当ヒマールで共同出版することになりました!!
共同出版って??? というのは、とりあえずあまり気にしないでください。
やがてヒマールからも、ちゃんとした告知が出るので、ご注目を。
楽しいことをいろいろ考えています。 

先日の楢喜八作品展で出会ってしまった「転校生の花子さん」。
真夜中の校庭にて、予言獣たちの対策会議(イメージ)

『誰かが見ている』残部わずか!+楢喜八作品展開催

『誰かが見ている』のイラストレーター、楢喜八さん個展が開催されます。

■楢喜八作品展~真夜中の月はいつもミステリアス
会期:2021.6.14(月)~19(土)
   12:00~18:30(最終日16:00)
場所:ギャラリー ステージワン(GINZA STAGE-1)
   東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1階
      TEL.03-3562-5181

『誰かが見ている』のインタビューの最後で楢さんが
「歳とともにおとなしくなっているから、ちょっと戻りたいという気持ちがあって、今、描きたいと思っている絵があります。もうアイデアも出来ていますが、仕上がるまで内緒です」
と語られていた作品も出品されます!
すごい絵です。
マスクをして、ぜひ足を運んでご覧ください。
(個展のDMでは、本の表紙でマスクをしていた男女がマスクを外していますけど・笑)

おかげさまで『誰かが見ている』は残部わずかとなりました。
会場でも販売されます。
まだ入手されていない方はどうぞお早めにお求めください。

楢さんの個展が終わり作品集が完売しましたら、こぶな書店3冊目の刊行予告をさせていただきます。
前のが売り切れたら次のって、何屋なんでしょ。

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2021年のご挨拶

 こぶな書店はおかげさまで、3年目の春を迎えることができました。楽しい出会いと温かい応援を数多くいただき、感謝申し上げます。

 立ち上げの1冊目として2019年世界難民の日(6月20日)に刊行した小俣直彦著『アフリカの難民キャンブで暮らす』は、昨年2020年の同じく世界難民の日に、韓国のWonderbox社から翻訳出版されました。

 昨年は、思いもかけなかった新型コロナウィルスの感染拡大に見舞われ、日々それに関する報道が続く中、小惑星探査機はやぶさ2の帰還とJAXA宇宙飛行士・野口聡一さんの3度目の宇宙飛行のニュースに、心が空の彼方まで開きました。

 私は野口さんの著書の編集をさせていただいたことがあります。1度目の飛行の後に刊行された『宇宙においでよ!』(野口聡一・林公代 著)という本で、その際に野口さんがしてくださった、宇宙飛行士は同じ宇宙船に搭乗するメンバーに命を預け合っているというお話を、折々思い出します。

 1冊の本に関わるチーム――著者の他に、イラストレーターやカメラマン、ブックデザイナー、校閲者、印刷所のあらゆる工程に関わる方々、本によっては監修者もいます。販売や宣伝の担当者、流通取次の方、書店さん――も、宇宙船に乗っているのに似ている。

 そして最近思うのは、読者の方も一緒に宇宙船に乗ってくださっている、と。もしかしたら原稿が生まれた最初から、まだ見ぬ読者の方も一緒にいてくださっているのではないか……と、『アフリカの難民キャンプで暮らす』が出て、読者の方の声が聞こえて来たとき、そう思いました。既存の枠には居場所を見つけるのが難しく、この本の原稿を抱えて私が途方にくれていたあの時、もう見えないところに読者がいてくれたのだ、と。

 こぶな書店は昨年11月に2冊目の『誰かが見ている―楢喜八作品集』を刊行。今年は何冊かの企画を並行して進行中です。

 これからもぜひ、いろいろな宇宙飛行を皆様にご一緒いただければ嬉しいです。

  2021年立春   小鮒由起子

有明海 ムツゴロウから届いた新春のメッセージ
(撮影:田中克)

『誰かが見ている 楢喜八作品集』大好評発売中!

こぶな書店の2冊目の本、「誰かが見ている 楢喜八作品集」。

11月16日から銀座・ギャラリー路地裏で開催中の「楢喜八 学校の怪談同窓会展」でも続々お買い求めいただいています。「楢さんの根強いファンの方が本当に多いことに改めてびっくりです」とギャラリーのオーナー。いっぽう連日在廊の楢さんは、「すごく若い人も毎日来てくれて、うれしいよね」とニコニコ顔。

楢喜八さんは、81歳にして現役のイラストレーター。これまでに数え切れないほどの挿画・装画を手がけておられますが、実はこれが初作品集。ファン垂涎、楢喜八を未知の方には<今こそ新しい>見れば見るほど発見が尽きない、作品世界です。
ぜひ手触りと重みをお楽しみいただき、ご愛蔵ください。 

詳しくは、こぶな書店の本をご覧ください。


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